ライダー大集合!レポート

 仮面ライダー放送40周年を記念して、内田所長により企画されたこのイベント、池袋文芸坐に行って参りました。全部で九枠あり、最後の一回を除いてそれぞれライダー俳優とスタッフのトーク&上映会ということで、全部の回はさすがに無理でしたが、遊里さんと三枠に参加してきました。
http://rider-40th.com/

 まずは、仮面ライダーZXで村雨良を演じた菅田俊さん、タイガーロイド三影英介を演じた中屋敷哲也さん、特番ZXのスーツアクター城谷光俊さんのトークショー。菅田さんも中屋敷さんも背が高い!そしてZX特番は本当に手弁当で、変身前に乗っていたバイクはご本人の物でロケバスに付いて自分で乗って持ってきたとか、各地のショーはノーギャラだったとか、ZXの面は一番外が見にくかったとか、変身ポーズは本当は円月殺法を模したのが現場で変えてしまったとか(だから雑誌の連続写真と違っていたのか!)など仰天話、苦労話、思い出話に華が咲き、とても興味深かったです。

 上映作品は『仮面ライダー対ショッカー』『仮面ライダー 8人ライダーVS銀河王』『仮面ライダーストロンガー』でした。やはり大画面の死神博士のアップは怖い!そして怪人軍団勢揃いの壮観さ!ダブルライダー登場のカッコ良さ!当時の子供たちが狂喜したのもわかります。銀河王は褪色して赤くなっていたのが残念。初めて見たのですが、ブンさん若い!銀河王は絶対ダダロボットの生き残りに違いない。戦闘員の行動スタイルがどう見てもダダ兵士です。でも折田監督じゃないんですよね。ストロンガーはTV版のワニーダの回のブローアップ版。城茂はやはりチョイ悪な感じの方が良いなぁ。そして七色仮面さながらの理不尽なストロンガーの強さが良いのだ。

 次は、仮面ライダーアマゾンで山本大介を演じた岡崎徹さん、スーツアクターの新堀和男さん、仮面ライダーで滝和也を演じた千葉治郎さん、毎日放送のプロデューサー左近洋一さんのトークショー。岡崎さんは九州で漁師をやっているそうで、森で働いている千葉さんとは初対面ですが、控え室で自然に対する考え方で意気投合したそうです。アフレコの苦労話で、千葉さんは小林昭二さんの演技を盗ませてもらった、岡崎さんはアフレコが苦手だったので前半は楽でよかったとか、新堀さんは当時19歳、アマゾンは腰を屈めた低いポーズなので腰を痛めたとか、左近さんの秘蔵写真で大野剣友会や俳優の慰問風景や、仮面ライダーの1話からストロンガー最終話までの視聴率を一覧できるよう記録した巻物とか、これも興味深い話ばかりでした。誰かがTwitterで呟いていたのですが、滝和也と山本大介が同席してるのは『仮面ライダーSPIRITS』のようで感激というのに同感。

 上映作品は『仮面ライダーアマゾン』『仮面ライダーV3デストロン怪人』『仮面ライダーBLACK 恐怖! 悪魔峠の怪人館』でした。アマゾンはゲンゴロウ獣人の回のブローアップ版で、岡崎さんも見たことが無かったので一緒に観客席で見てました。V3はとにかく爆発の凄まじさ、大画面だと本当に凄い!あと伊上脚本の割切りの良さを再確認できました。BLACKは夕張が舞台、面白いし良かったのですが、やはり個人的にはBLACKは宇宙刑事の系統
で私の好きな仮面ライダーでは無いんですよね。

 そして最後の回はお待ちかねのライダー大集合、近所のコンビニで発売開始時間直前に張り込み、時間と同時に申し込みをしてかろうじてゲットできたプラチナチケット!

 開演前の待ち時間や幕間にかかる菊池サウンド(一部、川村&宙明サウンド)に心が躍る。これは今までの回もそうだったのだが、やはり音楽の力は偉大だ。「ドランゴンロード」をBGMに菅田俊さんが現れた時、「アマゾンライダーここにあり」とともに岡崎徹さんが登場した時、痺れるほどカッコよかった。

 開演して、まずは阿部プロデューサーの挨拶。今回の企画の発起人であり代表の内田所長の代理で、ゲスト(来賓、東映、石森プロ、毎日放送など)の紹介。
 そして内田所長の挨拶。だが内田所長は病床の身で、前の回まで車椅子で来ていたのだが、さすがにドクターストップで病院に戻り、Skypeのビデオ通話機能でスクリーンからの挨拶となった。昭和も平成も無い、ライダーはライダーで新しいものを作って欲しい、藤岡弘、監督で新作を是非!という激に会場が沸く。
 続いて「ライダー冬の時代」というテーマ(内田所長のリクエストだそうです)で、漫画家の村枝賢一さんと司会の鈴木美潮さんとのトーク。2号ライダーから見始め、アマゾンが大好きという村枝さんですが、ライダーはずっと好きで冬の時代は無かったのではと、資料写真を映しながら40年間をざっと総括。そういえば、ライダースナックはTVチャンピオンに出演したとき、堤哲哉さんのお店でデッドストック品を開封してみんなで悶絶したっけなぁ(^^;

 幕間の後、仮面ライダー1号こと本郷猛を演じた藤岡弘、さんの登場!その貫禄、オーラが出ているようでした。そして司会を相手に当時の思い出トーク。今まで間接的には聞いていた話も、直接ご本人から語られるとまた違った重みが。ひどい事故で今でも後遺症が残り、体を鍛えることで常人と同じレベルを保つという想像を絶する苦労、だが事故があってこそ今の自分がある、あのまま猪突猛進の自分だったらいずれ駄目になっていただろう、そして自分を待っていて受け入れてくれたみんなへの感謝、そういう思いが訥々と語られました。
 ここでスカイライダーこと筑波弘を演じた村上弘明さんからのビデオメッセージの上映。ギリギリまで出演するためのスケジュール調整を行っていたのですが、どうしてもドラマの終夜ロケで抜けることができない状態だそうで、その分、変身ポーズを交えての長いトークを見せてくれました。ただの大学生が親に内緒で俳優業を初め、何もかも仮面ライダーで教わった、特に何もわからない自分を大野剣友会のみなさんが支えてくれたこと、子供ができて改めて仮面ライダーの凄さを感じたこと、本当に参加できなくて残念なこと、真摯に語っていただいたそれだけでいいのさ、ファン冥利につきます。
 藤岡さんも、大いに同感することがあったそうで、感じ入っていました。

 そして満を持して、ライダー俳優が総登場!壇上の藤岡さんのもとに、仮面ライダー2号こと一文字隼人を演じた佐々木剛さん、V3こと風見志郎を演じた宮内洋さん、Xこと神敬介を演じた速水亮さん、アマゾンこと山本大介を演じた岡崎透さん、ストロンガーこと城茂を演じた荒木しげるさん、スーパー1こと沖一也を演じた高杉俊介さん、ZXこと村雨良を演じた菅田俊さん、仮面ライダーBLACKとRXこと南光太郎を演じた倉田てつをさん、そしてFBI捜査官滝和也を演じた千葉治郎さんが上がり、壇上に一列に並ぶ壮観さ!まさに眼福、映画では果たせなかった素顔のライダーの揃い踏みがここに!!!!!!!!!
 みなさんから一言ずつの挨拶の後、一旦、壇上から降りて大抽選会に。役者のみなさんに「スタート」「ストップ」の掛け声をかけてもらい、ナンバーが選ばれる仕組みです。正直、運営側のミスで無い番号が連発され(多分、一回券の番号のほとんどが登録されておらず、通し券の人絶対有利な状況)少しダレはしましたが、その分、役者さんの声がたくさん聞けたので由としましょう。速水さんの「セッタップ!」も聞けましたし。

 最後にセレモニーとして表彰式。内田所長の代理として阿部プロデューサーから、役者の皆さんへ記念碑が送られました。ライダーマンこと故山口豪久さんの記念碑は奥さんも娘さんも都合が付かなかったため、デストロンOBということでドクトルGを演じた千波丈太郎さんが、村上さんの記念碑は、スーツアクター中屋敷鉄也さんが受け取りました。佐々木さん、高杉さんは変身ポーズを披露してくれました。
 次にスタッフの表彰ということで、プレゼンターに藤岡さんと千葉さんが指名され、受ける際に藤岡さんの「行くぞ、滝!」の台詞、そして千葉さんの「あいよ本郷!」この生のやり取りに、つい涙が出てきてしまいました。もうこの台詞が聞けただけで満足と思いましたよ。
 表彰されたのは、我らが平山亨プロデューサー、残念ながらドクターストップのため来られず、代わりに息子さんである平山満さんが受け取り、平山先生の近況報告と、口述筆記したメッセージの披露、ろくでもないことばかりしてきたけれど、それでも少しは世間の役に立てたのかなという平山先生の言葉を満さんの口から聞かされた時に、完全に涙腺が決壊してしまいました。
 他に、毎日放送への表彰は左近プロデューサーが、石ノ森章太郎先生への表彰は石森プロ副社長が、そして東映の渡邊亮徳さんへと、記念の盾が送られました。

 夢のような時間も終わるときが来ました。内田所長へ見せるため、壇上に役者さんたちが上がって(倉田さんはいじられっぱなしでした)、そして会場のみんなで「レッツゴー!ライダーキック」の大合唱、満場の拍手の中、役者さんたちが退場、終演となりました。

 ゲストに青影を演じた金子吉延さん、キカイダーことジローを演じた伴大介さんも来られていたそうです。終了後、ロビーで平山会を代表して遊里さんが平山満さんにご挨拶させていただきました。後姿が先生そっくりなんですよ。
 色々まだまだ語りつくせない思いで一杯ですが、このイベントを実現するために奔走された全ての皆様に、感謝を込めて、ひとまず、筆を置くことにします。